二〇〇三年 十月 二十日(

旧暦 九月二十五日 先負
癸未年 九月廿五日

あらためて、blogって何?

blogをはじめたとき、それはちょっと高機能なWeb日記システムだと思ってたんだけど、RSSでの出力が可能なことと、いろんなRSSリーダが出現したことで、ここで言われているような影響もある仕組みなんだなぁ、とあらためて思う。

情報を補足する/情報が補足されることの弊害

ワタシ自身はRSSリーダを使わずに、いくつかのRSSを使ったアンテナ(?)を巡って、ネタをつまみ食いする程度なのでこういうことを真剣に考えはしなかったのだけど。

よく考えてみると、個々のblog作者がどう思うかは別として、現象としてはblogが情報の伝搬においてこれまでのWEBよりも、ある部分では有効な手段となりうるということを示しているといえるわけだ。

その形態が、まるで伝言ゲームのようなので、情報に明らかな尾ヒレが付いてしまうということが問題だ、ということだろう。(ちょっと乱暴すぎる解釈かもしれないが。)
しかし、これに関しては、これまで沢山のメディアに対して論議されていることとよく似たものであって、とくに特異な点を孕んでいるとは思えない。「本当の事実は何か?」ということにこだわる人にとっては、ニュースソースさえ分かれば出来るだけ色の付いていない情報を見たいと考えるだろうし、そうでない人にとってはblogから得ようがゴシップ誌から得ようが、情報の質には変わりはないのではないだろうか。

現時点では、伝言ゲームごっこ=blogと思って運営されているblogも少なくないように思えるので、いずれそのようなサイトは不毛さから淘汰されるのは間違いなく、影響についてはあまり心配はしない。だた、blogのもつ情報の伝搬力の可能性も侮れないとなれば、メディア一般に共通しているように受け手の判断力が問われる場面が単純に増えたということは言えるだろうが。

だが、blogの本当のおもしろさは、ネタに付けたコメントから出てくる作者のパーソナリティや、ネタを取捨選択する作者のセンスを見ることにあると思う。(もちろん、ネタがらみでなく、オリジナルなネタもたくさんあることは承知の上。)
さらに、それらが互いにリンクされているという点が、あきらかにこれまでのメディアと異なるところなわけで、そのblogという形態が全体として何を産み出すかということについては未知の部分が多く、メディアとしてのblogはまだ草創期にあると言っていいのではないだろうか。(特に日本では。)


***
blogについて考えるとき、いつもアタマの片隅に思い浮かぶのは、BTRON超漢字というシステムに使われているOS)による「実身/仮身システム」のことだ。このメタファーを上手く説明することは出来ないのだけど、エントリというblogの記事単位で結びつくネットワークと、このシステムには本質的に相似性があるように思えてならない。

BTRONのヘビーユーザとして有名で、著書も多い美崎薫氏の著作の中に、BTRONの良さが実感できるのは、実身の数が千(だったか、5千だったか記憶が定かでない)を越えてからだ、という言及があった。
blogも、その記事の総体量と、ネットワークの構成によって、どんどんその貌を変えていくはずだ。
そして、それがいずれも実身を作るblog作者とネットワークを作るblog作者の個々の働きに依存しているというところがまた面白いところでもある。

Posted by mura at 2003年10月20日 11:35 | トラックバック
コメント

あー。ミストラックバックを二回も送っちゃいました。
すみませんが,削除ください。

Posted by: Naoto at 2003年10月22日 20:40

引用していただいてうれしいです。
数は1000でした。
当時は、1000のファイル(実身/記事)というだけでも、
かなり特異なことと思われたので書けなかったのですが、
最近ハイパーテキストが認知されてきたので、
もうちょっと多めの数をいうようにしています。
つまり、1000の実身と1万の仮身ができたとき、
緊密に結びついた実身/仮身は記憶を強力にサポートする、
といういい方をしています。

実例でいうと、わたし自身の実身/仮身群は、
3万5000の実身に対して、24万の仮身があります。
6倍くらいの規模の仮身によって、
緊密にリンクされており、
リンクによって柔軟に情報をカテゴライズして見ることができます。

Posted by: 美崎薫 at 2004年1月20日 23:59

美崎さん、コメントありがとうございます。
もともと美崎さんの著書に出会って「超漢字」に手を出したので、直々にコメントいただけるなんて感激です。

残念ながら、超漢字は現在は使い続けてはいないのですが、あの仕組みは文書データベースを維持していく上で非常に強力なものであるという実感はあります。

blogもある意味文書データベースであり、webというハイパーリンクを用いている以上、似たような特性を発揮することも可能ではないかというふうに思います。そういう意味で従来のwebページよりも可能性があるのではないかと。

すでにRSSによる配信/購読が序々に広まってきているなど、従来のwebとは違う動きが見られますが、これから時間が経って行くにつれて、どんどん新しい活用の仕方が拡がってくる気がします。

Posted by: mura at 2004年1月21日 10:43

こちらこそありがとうございます。
おっしゃるように、「超漢字」を使い続けることが大切なのではなくて、
ハイパーテキスト的な形の文書整理というコンセプトを、
実現していこうというところが大切だろうと思います。

わたし自身は開設していませんが、blogにも注目しております。
そういういくつものムーブメントができていくと、
次世代文書環境はもっと変わってくるだろうなと思います。

Posted by: 美崎薫 at 2004年2月17日 04:53
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