古電脳のリサイクル
10月から家庭用のパソコンも対象商品になるので、ちょっと勉強してみた。
パソコンも家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)によって規定されていると思いこんでいたのだが、そうではなくパソコンは「資源有効利用促進法」という法律が根拠だ。
以前、仕事がらみで「容器包装リサイクル法」を勉強したこともあるが、やっぱりそれと同程度にややこしくてわかりにくいシステムだ。そして、ややこしいシステムほど、穴も多いように思える。
まず、基本はメーカーはパソコンの再資源化のために何らかのリサイクルシステムを構築しなければならない。(たとえば、リサイクル工場を造ったり)
で、その費用は、消費者が負担する。もちろん運送費用も。パソコン以外の従来の4家電ではこの間に小売店の引き取り義務が生じていたが、パソコンの場合はこの義務はなく、法律上はメーカと消費者の1対1のシステムになっているようだ。
制度開始と同時に販売される製品には「PCリサイクル」のマークが付けられ、販売時にリサイクル料金が上乗せされる。このマークのついている製品は料金支払い済みなので、不要になって引き取ってもらうときには料金はかからない。
一方、制度開始前に購入されたものについては、引き取り時にリサイクル料金を利用者が負担しなければならない。NECが公表した価格は、PC本体やノートPC、液晶モニタなどが\3,000、CRTやCRT一体型マシンで\4,000ということらしい。多分、どのメーカも同じレベルに落ち着くのだろう。
だいたい、このぐらいのことは、いろんなところに書いてあるので理解できた。
しかし、このシステムを自分の身に当てはめてみると、どうして良いかわからないことが多すぎる。
・パソコンって、どこまでがパソコンなの?:
ウチにはもう動かないが、FM-7という80年代の8bitマシンがある。しかし、これもパソコンなのだろうか?ワープロも表計算も、いわんやDOSでさえも動かないんですよ。この機械と最近流行のPDAと、どっちがパソコンに近い?といわれれば文句なくPDAでしょう。それなのにパソコン?
・こんなに使ってやったのに?:
これも上の項と本質的には重複するが、ワタシの使っているマシンは、古いものは生産されてからほぼ10年を数えるものもある。パソコンの平均寿命(?)は5年ぐらいとも言われて、リサイクルもWindow95登場以後に爆発的に増加した製品に対応するためのシステムでもある。それなのに、引き取られるときに同じ料金というのは納得がいかない。「みんながリサイクル料金を負担してまで新しいものに取り替えるのを尻目に、ワタシは古いマシンの価値をこんなに長い間引き出してやったんだ!」と主張したいのだ。
まだまだ使えるのに(つまりリサイクルされるのに耐えうるものなのに)手放されるモノと、通常そうしてリサイクルに持って行かれるところを、個人的に利用し続けリサイクル可能な価値を消費し続けたモノとでリサイクル料金が同じというのは、なんか変じゃないか?
・中古パソコンなのに?:
ワタシの持っているマシンは、多くが中古マシンである。すなわち利用者としての利益は、前のユーザと分割して享受したことになる。リサイクル料金の本質は、利益を享受したものに対する責任ということなのだから、当然前のユーザにも一部を負担してもらいたい。(まあ、現実的には無理だけど。)
しかし、これを突き詰めていくと、パソコン製品自体の価値がリサイクル料金よりも下回っている場合、前のユーザは後のユーザに対してリサイクル料金としていくらか支払わなければならないという事態も起こりうる。しかし、このような取引はいわゆる「逆有償」ということになって、法律で禁止されている。あくまでパソコンは有償物であって(ゴミではない)、ゴミの処分費用を請求するように有償で引き取るということは出来ないのだ。(じゃあ、メーカの取るリサイクル料金って一体なんなんだ!と叫びたくなる。)
・CPUはパソコン?メモリはパソコン?:
パソコンは多くのパーツから成り立っていて、互いに流用可能だ。例えば古い(といってもあんまり古いのはダメだけど)機械のメモリを取り外して、新しい機械に付けることも出来る。
じゃあ、極端な例だけど、全部バラバラにして、CPU、メモリ、HDD、マザーボード、ケーブル類を別々に処分する場合はどうなるか?多分パソコンではなくなるのでゴミとして処分できるはず。
さらに、バラバラにして処分することを前提に、リサイクル料金よりも安い費用で業者が引き取ることは違法なのだろうか?パソコンの形をしているものを逆有償で引き取るのは違法でも、バラバラにしてからなら合法?・・・よくわからない。
・新しいパソコンは中古で売ると損?:
新制度下で買ったパソコンには、購入時にリサイクル料金が含まれているので、中古で引き取ってもらうときには、この料金についてもある程度見込んでもらわないとワリに合わない。
たとえば、同じパソコンで今年の9月30日に買ったモノと、10月1日に買ったモノでは、購入価格に関わらず、その価格の中にはリサイクル料金が含まれているかいないかという大きな違いがある。それらを中古で引き取らせる場合、その買い取り査定にはリサイクル料金の有無は見込まれるのだろうか?
と、まあ素人が考えても、これぐらいの疑問は簡単に出てくる。
こういう風に書いていて、強く思うのは、やはりその製品の「償却年限」みたいなものをあらかじめ決めておいてくれ、ってことだ。これは前の家電リサイクル法(4家電)のときも思ったことだが、古い機械を大事に大事に使っている人も、新しいのをどんどん買い換える人も、同じリサイクル料金というのはやっぱり変だ。
どこかで「ゴミ」として認定されなければ、逆にすり切れるまで使うということの大事さが、ないがしろにされるということにならないだろうか。
そして、ゴミを単に埋め立てるだけでなく、そこから資源が抽出できるようにする、というリサイクルの道もあることをみんなで理解すべきだろう。
Posted by mura at 2003年8月 7日 11:44