二〇〇三年 六月 十八日(

旧暦 五月十九日 大安
癸未年 五月十九日

川崎問題

2003年のプロ野球オールスターのファン投票セリーグ投手部門で、ドラゴンズ川崎投手がついに1位に躍り出た。まだ最終結果ではないので、結局どうなるかわからないが、一部のスポーツ紙では裏1面にも出たようなので、けっこうインパクトのある話題にはなったようだ。

18日朝の日本テレビ、ズームイン・スーパーの辛坊次郎氏のコメントに代表されるように、一般的な見方としては、一部の心ないファンの行き過ぎた行動>川崎がかわいそうだ、という方向でいまのところ収束しているようだ。

しかし、本当の問題はそんなことではない。
ネットで投票をやれば、多かれ少なかれ、こういうことになるということがわかっていないだけなのだ。いや、わかっていたのに、ちゃんと対策をしていなかったにすぎない。
実際、オールスターファン投票では昨年も同様のことが起こっている。単にそれほど票が伸びなかったので、おおっぴらにならなかっただけのことで、主催者など当事者側は十分に承知していたはずだ。

それなのに、なぜ対策しなかったのか。

本当の理由はわからないが、「去年より総得票数を多くしたい」ということがあったのではないだろうか。いろいろ規制を加えて得票数を少なくしたんじゃ盛り上がらない。ここは少々組織票を容認してでも、得票数を伸ばそうという思惑があったことは否定できないだろう。

オールスターのネット投票システムは、「一人何回投票してもOK。ただし一人一日5回まで」というワケの分からない決まりになっている。これがまさに組織票歓迎システムである。
投票期間が正確に何日あるか知らないが、2ヶ月ぐらいあるとすれば、一人の投票機会は5回×60日=300票ということになる。
また、現実問題として代理投票も可能だから、「良心的な」代理投票ということで家族4人分毎日投票するとすれば、300×4=1200票である。
こうなると、積極的で良心的なファンが1000人集まるだけで1200×1000=120万票なのだ。
この票数には何の問題もない。ケチの付けようがない。システムがそうなっている以上、正当に扱われるべき数字なのだ。

じっさい120万票あればトップ得票だろう。問題はそこだと思う。
うまくネット上で1000人ぐらいの人間を誘導できれば、面白いことができるぞ、と考え出す人間がいても、全然不思議ではない。
ある意味クラッキングに似た快感を呼ぶだろうが、決してルール違反をしているわけではないからだ。

そこで云々されるのが投票者のモラルの問題だが、そういう人にはこの投票の仕組みをよく理解してもらいたい。「あなたは、オールスターの投票システムは、こんなことが簡単にできるシステムだったことを知ってましたか?」と問いたい。
モラルのことをいうなら、「得票を伸ばして盛り上げよう」と安直に考えているプロ野球機構と主催している企業側のほうが多く責められることがあるのではないか。

今回の投票結果では、川崎投手がトップになったのが非常に目立つことになってしまったが、その影で投手以外のポジションではすべてタイガースの選手が選ばれるという、これもまた重大なことが起こっているのだ。いったい、これはどう扱うのだ?

この川崎事件は、ある意味、主催者企業やプロ野球機構の宣伝優先で野球そのものやファンへの愛情のかけらもない運営体制への強烈な批判としても受け取れるように思える。いや、批判というより、バカにされているという方がいいかもしれない。今回のことで、そういう点がもっと浮き彫りになってくれるといいのだがと思う。

いっそのこと、今回のことでみんながシラケて、来年からはオールスターはやめよう、ということになっても、それはそれでいいんじゃないか。
ワタシはプロ野球が大好きだが、インタビューで「クルマがもらえるようにがんばる」と言ってるようなオールスターならやめてもいいと思う。どうだろうか?

もうひとつ。
川崎投手は「困っている。辞退します。」と言っているそうだが、なんて情けないんだ。
「そんなにみんなが応援してくれるなら、是が非でも出ます」と堂々と出場して、5球でも10球でもいいから、腕がちぎれるぐらい投げて見ろよ。もう、今年は2軍で少しは投げてるじゃないか。
今回の投票のなかには、川崎が許せないからこそ投票した、という票も多く含まれているはずだ。トップにして晒し者にしてやれという票だ。
莫大な年俸で複数年契約しながら、一軍で1球も投げていない川崎だからこそ、今回こんなに票が集まったということは否めない。
それに対して、見返してやろうという気概はないのか?

そして、川崎とドラゴンズに問いたい。「いままでいったい何してたんだ?」
もちろん、体のことが原因だから、川崎自身が一番ふがいない気分だろうが、ファンに対してそれを説明する努力をしてきたか?
あわよくば、このまま忘れ去られてくれればいいが、とか考えて無かったか?不良債権みたいに。

かくいうワタシも川崎に投票した。1票だけだが。
川崎に投票できる、ということが一番の驚きだったが、あの熱い投球へ復活の道を着実に歩んでいるところを見せてもらいたいという希望も少なからずあったのだ。

追記:
読売テレビ辛坊治郎氏の名前が間違えていました。
訂正いたします。すみませんでした。

リンク元:
Dead funny
M's folder 030729

Posted by mura at 2003年6月18日 11:25
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